Crossing Shibuya, Scramble Nakameguro

渋谷周辺から中目黒辺りのイベントやお店、街の様子で感じたことなど

渋谷ハロウィンにみる、今を写した祭りの形

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2016年のハロウィンも終わり、早くも2週間が過ぎようとしています。時間もなくて、ここまでの数回の記事に分けて少しずつ渋谷ハロウィンの様子をご紹介してきましたが、今回もハロウィンの渋谷の様子です。

 

トップの写真は、渋谷駅から109ビルの横を抜けた道玄坂の様子。ハロウィンの日は、車両通行止めの歩行者天国となり、ご覧のように人に溢れかえっていましたし、いかにもハロウィンという凝った仮装をしている人達もかなりの割合でいました。

 

そして、そんな仮装している人に対して「一緒に写真を撮っていいですか」と声を掛けて、仮装をしている人同士も、そうでない人とも、海外からの観光客も日本人も混ざり合って、そこかしこで写真を撮り合うコミュニケーションが生まれていました。

仮装をしている人も、手の込んだ仮装をしている人ほど、そういうお願いを待ってましたとばかりに快く受けていて、撮られることや、そういうコミュニケーションが生まれることに満足そうな様子が印象的。

 

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渋谷センター街の方に移動すると、こちらも人で埋め尽くされています。道玄坂よりも道幅は狭く窮屈で、一度中に入ると人の流れに流されるがままになってしまうような状態ですが、どこか目的地らし目的地があるわけでなく、道すがら互いの仮装の様子を見て楽しんだり、写真を撮りあったりというのを目的にしている人が多そうです。

 

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こちらの仮装は、渋谷センター街のクラブのようなお店の看板を持っている様子。普段は他人に話し掛けることない街中でもクラブの中のように自由に話し掛けられるようになったハロウィンの渋谷にあって、唯一目に付いた仕事として仮装をしている人が、このクラブの人だけ、他は何ら給料をもらっているわけでもなく自由に仮装を楽しんでいるというのが、ハロウィンというのが日常から何かが反転してしまった祭りなんだと感じさせてくれます。

 

 

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この写真は少し分かりにくくてすみませんが、人の輪の中心にいるのが、亀を背負った人(これも広い意味で仮装なんでしょうね。)とベリーダンスの衣装を着た人が、即興で浦島太郎的な?小芝居みたいなことをやっているところです。おそらく、この亀さんとダンサーさんは全くの他人で、その場のノリでやっているだけなんでしょうけれど、それが面白くてここまで注目を集めていました。こうして何ら組織化されていない人がコンテンツの中心となるというのが、渋谷のハロウィンが新しく生まれた祭りらしいところなのかも知れません。(ちなみに、亀さんの腕がもげるアクシデントがあり、そそくさと立ち去ってしまいました。)

 

上にも書いたように特に目的地らしいものがないというのも、主催者に作り上げられたイベントではイルミネーションやオブジェなどがあり、昔から伝わってきた祭りでは神社や神輿など何かをまつる中心となるようなものがあるのと違っていて面白いところです。

そういう昔からの祭りに参加するとなると、祭りの中心となるものを仕事として管理したり作りあげる人となるか、もしくは綱の引き手など組織化された中で決められた役割に入ることしかできなさそうですが、渋谷のハロウィンでは、そういう組織らしき組織はなくても楽しめる、気軽に自分の好きなように仮装すれば祭りに参加できるという自由さが、ここまで渋谷でハロウィンが盛り上がっている理由なのではと思えます。

 

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このハロウィンの日の渋谷にあって、一番組織化された存在は警察なんでしょうけれど、交通整理か、ただただ遠くから見守るだけで、完全に組織は脇役です。

 

大金を掛けて作られたコンテンツを楽しむよりも、参加者が互いをコンテンツであるかのようにLINEやFacebookなどSNSで楽しむことの方が多い今の世の中と、渋谷ハロウィンのような祭りの形は良くあっているということなのかもしれません。